うつ病と戦うのをやめた

うつ病に義務感は禁物。
「しなければならない」という思いを抱いていてはよくならない。
うつ病の本を読むとこういうことが書いてある。
この説には問題点があると思います。
自分の心は「自分のもの」だから「気の持ちよう」で変えることができるという前提にたっているからです。
しかし現実にはこれがむずかしい。
義務感を持つにはそれなりの理由があるはず。
状況が変化すれば話は別ですが、意志の力だけでことが運ぶわけがない。
うつ病にかかった当初、半年も療養すれば完解すると思っていました。
そういう知人が何人もいたからです。
ところが2年たっても3年たっても病状はさほど好転しません。
そのうち「完解したい」という気持ちが「完解しなければならない」という義務感になっていきます。
焦りもあったことでしょう。
当時は頭の中がかなり混乱していて、整理ができない。
これを精神科医に伝えることもできませんでした。
こういう義務感は数年前から徐々に弱まり、今は消えています。
きっかけは同い年の友人や知人が毎年のように亡くなり始めたことです。
また老眼を始めとする体の老化も深刻になる。
すでに健康寿命は尽きようとしています。
たとえ完解してもさして意味がないのではないか。
こう納得せざるを得ない現実が目の前にあります。
これで精神はある程度解放されました。
うつ病と戦うのをやめたのです。

×

非ログインユーザーとして返信する